「moss」のデザイナー③~Terry Breaux

宣教師

2010年12月14日 18:57

彼は、名前の読み方で惑わされたのだが、

BE-PAL1999年10月号では、「ブリュー」(仏語風読み?)、

同2001年10月号では、「ブロークス」(英語風読み?)となっている。

ま、どっちでもいいことだけど、最初は別人かと思ってました。

これら2冊の文面からすると、彼はヘリックス(1997年)やスーパーフライ(1998年)をデザインし、

2000年に、あの、「GTシリーズ」の吊り下げクリップ考案者となっている。


また、スーパーフライが発表される10年前より、mossでデザイナーとして勤めていたそうである。

moss亡き(2002年)後、彼はMSRのプロダクト・マネジャーとして活躍しているみたいだ。

彼のデザインしたテントが発表された90年代、特に後半は、

他社より、安価で性能の良い山岳テントが世に出回り、また、オートキャンプやトレッキングなど、

テント泊に対する考え方などが変化してきた。

mossとしても、1994年にビル・モスが亡くなり、それまでの「職人気質」の社風が、

営利優先へと変わり、一部のマニアックなユーザーよりも、

いわば、万人受けする幕体の発売へと移行していく。

しかし、これは当時の風潮として致し方なく、モス(マリリンたち)を責めるわけにはいかない。

Breauxがデザインしたヘリックスは、ソーラスやソレットをデザイン的に発展させたものであるし、

スーパーフライは、単なるティピー型にとどまらず、側面の曲線にカテナリー(懸垂線…

長いロープをぴんと張ったときにできる弛みの曲線)を利用している。

このことによって、ティピー型のような直線で構成されたものより、耐風性が向上していると思われる。

何よりも、彼のデザインしたこの2つの幕は、曲線が悩ましいし、スタイリッシュですね。












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